« 開花宣言 2010.2.9 | トップページ | 南高尾~明王峠 2010.2.14 »

ネパールからのたより

ネパールに行っている知人から、たよりが来ました。古都バナウティで、12年に一度開かれるお祭りに行ってきた報告と、このお祭りに纏わる伝説・物語の紹介です。二つの物語が紹介されていますが、一つ目はちょっと興味のあるお話です。

パナウティはカトマンズの南西32kmに位置する古都です。
ネワール族の小さなこの街には80年代始めにフランスの援助で修復再建された美しい寺院群が川べりにあり、好きで時折訪ねていました。
今年は12年毎に開かれるパナウティのお祭りの年で、マーグ月の間(1月15日から2月12日)がお祭り期間と聞かされ、先日行ってきました。
こちらの休日は土曜日ですが、祭りの最後の土曜日が一番の人出になるから早朝見物に行くといいと言われ、友人のUさんと金曜日から一泊で出かけました。
延々と続く果ては国境を越えて中国チベットに入る道は、カトマンズを出る辺りから拡張工事中の上に祭り見物の車とバイクでひどい混雑でした。
バスはこの道をバネパまで進み、ここから南に折れてパナウティに着きます。
私たちの乗ったマイクロバスは祭り見物客目当ての私的臨時運行だったようで料金も高かったですが、菜の花の黄色いパッチワークで彩られた山間の畑の中の道を小回りフル回転で飛ばし、早く着けたのは幸いでした。
数年ぶりで泊まった宿は宿泊料金が倍になっていましたが、増築中で、その夜は満室に近い客がいたのには驚きました。
階段で白人女性とすれ違いましたが、大方が夜になってからバイクで来たネパール人のようでした。
子供連れの部屋の入口には何足も靴が脱いでありましたが、その部屋はダブルベット一つだけの部屋でした。
私たちは何も考えずに靴のまま部屋に入ってしまったのでしたが、ネパール人は確かに部屋に入る時には靴を脱ぎます。
普通の人が外国人も泊まるホテルに一泊して祭り見物するようになった、10年も経てば当然のことでしょうが、住み始めた頃とは随分違ってきました。
ロビーで会った人は香港で働いている兵士で、村の奥さんを呼び寄せて祭り見物とのことで、見るからに村人の奥さんが脇にいました。
村の親族たちはホテルで一緒に食事をしてから自分たちの宿泊先に行ったと話していました。
祭りには伝説がつきものですが、このマカラメラ(メラは祭りの意味)にも物語があります。
その1は西欧圏の人の聖書にあたるこちらの物語マハーバーラタに関係するものです。
創造の神ブラフマーは絶世の美女アヒリャを創り、ゴータム聖人の妻にした。
天界の王インドラはこの美女をほっておけずに、月の神に頼み込み早く夜が明けたように見せかけ聖人を沐浴に追い出してから彼の服を着て聖人に成り済まし、彼女を騙して関係を持つ。
その悪行の罰としてインドラの身体じゅうに女性器が生じ、王は天界に戻れなくなった。
王の不在で不都合が生じている天界でインドラの妻インドラーニは師匠ブリハスパティを訪ね、夫の悪行を知り、居場所に連れて行ってもらう。
そしてブリハスパティの助言で二人はクンジャギリ山麓の二つの川の合流点すなわちパナウティの地を探し出し、ここにリンガを建ててインドラはシバをインドラーニはシバの妻パルバティを拝む1200年の行に入る。
パルバティは大層喜んでクンジャギリ山から流れ出す三つ目の川となり、合流点は聖地トリベニ(三つの川が合う場所)となった。
行の期間が終わるとシバが顕現し、インドラの願いを聞いてトリベニで沐浴するように告げ、インドラの身体は元に戻り、二人は天界に帰った。
別バージョンでは行に入って12年目にシバ自らが土地の蛇王バスキィの力も得て、薬草甘露の形の三つ目の川となりインドラが沐浴する場所に流れ出て治癒させた。
この顕現しない三つ目の川ルドゥラワティは12年毎に流れ出ると信じられており、この時に祭りが開かれる。
またlonely planet のガイドブックには シバはリンガの形で現れてインドラを元の身体に戻したと書かれている。
その2は同じく12年毎に祝われるゴダワリ祭と関連するもの。
昔々、渇水に困ったパナウティの王ディルガラタはフルチョウキ母神に祈願に行き始めた。
その時にパタンの王サテャワラも水不足に困り果て同じく祈願をし始めた。
二人の王とも大変信心深かった。
長期間に及ぶ祈願の後に母神が顕現し「二国に同時に川を流すことはできないので金と銀の花を早く献上してくれた方に川を流す」と言われた。
農業国パナウティには金細工師がいないので王は困ったが知恵者の助言で金の菜の花と銀の大根の花をいち早く捧げたので、喜んだ母神は川を流し、その川と他の二つの川の合流点で12年毎にマーグ月中マカラメラが開かれることになると宣言された。
工芸の街パタンの王が美しい金と銀の花を造らせて母神に捧げた時にはパナウティに川を流してしまっていたが、本物の金銀の花を捧げたのは自分だと譲らずに農業国ではなくても水不足の暮らしの大変さを訴える。
それも一理あると考えた母神はパタンにも少し小さなゴダワリ川を流し、こちらでも12年に1度祝祭が開かれることになると宣言された。
それでパナウティとゴダワリで6年間隔で順次祭りが開かれている。
翌朝、隣室の人たちが出かけて行ったのは4時半でした。
私たちは6時前にトリベニに着きましたが、寺院は捧げ物を手にした善男善女の行列が続き、右岸が女性、左岸が男性用に仕切られた沐浴場は灯火が水面に映え、大勢の人が沐浴していました。
パナウティのカイラス山と言われるクンジャギリ山上のゴルカナート寺院までトリベニの聖水を椀の形にした親指くぼみに入れて運び献上すると願いが叶うそうですが、前日にはそうしている人を見かけたものの、その朝の混雑の中では途中でこぼれてしまったことでしょう。寺院に登る急坂の途中、善男善女に挟まれて太陽が昇るのを見ました。
写真は街の賑わいと金曜日の沐浴風景。寺院はインドラが建立したと伝えられるインドレシュワル大寺院。
この右手境内にあるウンマットバイラブ寺院のたたずまいに前々から魅かれていますが、私の写真では良さを伝えるのは叶わないだろうと送るのを止めました。
ご開帳で初めて寺院内部の神像を拝めたのもうれしいことでした。
2010.2.11 キルティプルから
Img_0001_1_2 Img_0001 Img_0001_2
 

|

« 開花宣言 2010.2.9 | トップページ | 南高尾~明王峠 2010.2.14 »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 開花宣言 2010.2.9 | トップページ | 南高尾~明王峠 2010.2.14 »